タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


ま、そんな小さな感動もお母さんの一言で崩れたんですけどね!


お母さん曰く、おばあちゃんの片身(このハンカチ)を御守り代わりに私の傍に置いていたらしい。


これは偶然なのか必然なのか。


ハンカチを見る度におばあちゃんの優しい顔が浮かんでくる。



「ありがとうおばあちゃん」


ギュッと握り締めるハンカチ。

ほのかに温もりを感じた。


応援されているのかな?

なんて思ってみるのも悪くない。



私。ちゃんと幸太郎に告白しよう。

大丈夫。なにも恐れることはない。


想いを伝えるだけ。ただそれだけ。



もしこの関係が壊れてしまったら?

それはそれだ。未来も大事かもしれない。


それでも、今を大切にしたい。


窓の外はオレンジ色に染まっていた。

もうすぐ夜になるのかと時間が経つのが相変わらず早いと感心しながら遠くの方にぼんやり現す夕陽が一段と煌めいて見えた。