タイムリミットは君にサヨナラをするまで。



…………。
え?

いま、なんて?



「お、おばあちゃん?」


聞き間違えかと思って首を傾げるけど、おばあちゃんの表情はひとつも変わらなかった。


あげられないってどういう事?


大事そうにギュッと握り締める姿にハテナばかり埋め尽くされる。


「な、なんでくれないの?私頑張ったんだよ?おばあちゃんと一緒に天国に行きたいよ私」

「ごめんなさい」

「……ゼテルアさんに言われたの?」


バツが悪そうに俯くその姿にピンと来た。


きっとそうだ。
てことは私ダメだったってこと……だよね。

そうだよね。あんな別れ方したんだもん。

あんなの告白の一部になってないもんね。


それならそれでいいけどさ。
まぁ、案内人にまわるのは残念なところだけど……。

でも、おばあちゃんに任せるのはいくらなんでも酷すぎるよ?


小さくため息をつくとおばあちゃんが口を開いた。



「違うのよ。私の意思なの」


申し訳なさそうに言うけど視線は逸らさなかった。


その目が語るものは誰もが見ても嘘偽りないものだった。