「ゼテルアさんっウタくんっ」


2人の名前を呼んでも返答はなくて、ここには私しか居ないのだと改めて実感した。


なぜか懐かしい。この状況が。


初めて来た時も誰もいない場所でただ1人居座っていて

何も無い場所で自分の声だけが反響して

しばらくしたら声が聞こえて、そしたらゼテルアさんが来て……。


あ。もしかしたら!


いや、まさかね。
同じことはいくらなんでも起きないでしょ。


でも来るとしたらもうそろそろな気が……。



そう思った瞬間、遠くからギィィと扉が開く音がした。