指をさすと、一発でソレを射当てた。
今までで一番かっこよかったかもしれない。
いや、カッコイイんだけれども。
ムカつくけどね?
でも、悔しいくらい私の気持ちは正直みたい。
「はい、どーぞ」
「ありがとう」
私の手の中には大好きなマスコットキャラクターが三体。
どれも同じキャラクターだ。
1番大きいのはこのぬいぐるみ。
名前は『たぬぅ』。
ほんわかしてて最高の癒しキャラで大好きなんだ。LINEのスタンプも持っているくらい。
「たぬぅって言うんだっけ?」
「そうだよ。よく知ってるね」
「まーね」
そう言った幸太郎は微笑んだ。
今までで一番優しい笑みを見た気がした。
そんな風に笑うなんてずるい。
いいなぁ。私もそんな風に笑ってほしかった。
……なんてね。
もう叶わないんだから。
もう好きな人のそばにはいられないんだから。
もうこれで終わりにしようっかな。
なんて思っちゃうとゼテルアさんにまた怒られるかな。
でも、もういいかなって。
私十分幸せだし。
これ以上そばに居ちゃうと離れられない気がするから。



