タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


「あ!来た」


まだ豆粒くらいの2人の姿なのに歩未の声が私たちに向けて放っていることがわかった。

大きく手を振る姿も確認できた。


それに私も振り返す。


やっと2人の元へ帰ってきたという感覚が芽生える。

体感が麻痺してしまったのか。
ゴミ箱から2人の元へ戻るまでがとても長く感じさせられた。


「新太お前便所だったんじゃなかったのかよ」

「行こうとしたんだけどさ、場所分かんなくて迷ってたら佐來さん見つけたの」

「ふーん。漏らすなよ?」

「も、漏らさないよ!!」


そんなやり取りに笑うことさえやっとだ。

今の私はちゃんと笑えているだろうか。

ぎこちなくても皆に合わせていれば大丈夫かもしれない。溶け込め。

また迷惑かけちゃう。


「あゆなちゃん?」

「はいィ!」


ヤバっ、変な返事しちゃった!

きゅ、急に来たもんだから……。


私の反応が面白かったみたいで歩未はお腹を抱えて笑っている。


……そんなに笑わなくてもいいじゃん。


「ねね。ちょっと耳貸して」

「?」

「私、新太くん連れて外れるからさ。ちゃんと告んなね?」


そう言った歩未は不敵な笑みを浮かべてた。


「え!?急すぎな、」

「いーからいーから!ほら予想外なこと起きまくりでしょ?特に新太くん。ね?タイミング逃しちゃうといけないし。私の役目果たさせてよ」


耳元から離れていく歩未はどこか楽しそう。

そう、私はこの歩未の笑った顔が本当に好き。

滅多に歯を見せて笑うことのない彼女だから。


歩未。私の大切でかけがえのない親友。
私が居なくなってもこの笑顔を絶対に忘れないで。