夏祭り当日。

待ち合わせ30分前。

私は今歩未の家に来ていた。


久しぶりに訪れた歩未ん家に込み上げるものがあった。

ほんのり甘く香る室内がとても懐かしい。


ここへ来た理由はただ一つ。

昨日LINEで【一緒に行くなら着付けてあげよっか?】って言うもんだから大変ありがたく承諾した。

ついでにメイクもしてくれるという。
なんという神対応!

素晴らしい私の親友!


と昨日の出来事を思い返しているとお腹が圧迫された勢いで変な声が出たことに我に返った。


「あ、ごめん!」

「だ、だいじょうぶ」

「にしても凄い声だったね。あゆなちゃんとは思えないくらい」


そうケタケタ笑いながら丁寧に着付けていく。


そんな歩未はとても大人びいていて綺麗だった。