目が開かなくなってしまったようで。
いや正確にいうと、“開けられない”んだ。
まるで催眠術にかけられたような、そんな感覚。
誰かが私のまぶたを決して開けさせないように、とても堅く閉ざされている。
急に怖くなった。
もう戻れなくなってしまうのだと。
もう歩未とも、お母さんやお父さん達にも、……好きな人にも。
二度と会えなくなるってことに。
感じ始めてしまうと怖さは倍増してしまうわけで。
衝動的に叫んだ。
嫌!嫌だよ!!
『誰かっ助けて!!』
必死に叫ぶ。何度も。
暗闇の向こうで私を呼ぶ声に、何度も何度も。何度も叫ぶ。
こんなことしても無駄なのは分かってる。
さっきからひどい声が自分の中でしか響いてないのだから。
腕を伸ばしたいのに身体はちっともびくともしなくて。
それでも力付くで伸ばそうとした。



