「歩未、ちゃんっ」
ショッピングモール前。
信号を渡ってからあっという間に着いてしまった私たちだけど、こんなに息が上がるほど歩くなんて予想外だった。
彼女の手は震えてた。
ぜんぜん大丈夫じゃないじゃん。
こんな時に強がらないでほしい。
お願いだよ、歩未。そんな顔しないで。
「ごめんね。もう大丈夫かと思ってたんだけどさ、まだまだだったや」
「……」
こうやって無理して笑うのもやめなよ、歩未。
だから、私はそっと手を握った。
ビックリする顔に笑いかける。
「そんな顔しないで。辛い時は辛い顔していいんだよ?無理しちゃだめだよ。歩未ちゃん」
ね?と優しくもう一度その手を包んだ。
今にも泣きそうな彼女は「ありがとう」と笑った。
そう、その顔でいて。
歩未の笑顔好きだから。
「あゆなちゃん、私の話聞いてくれる?」
目があった拍子にそう聞かれたので、力強く頷いた。



