とうとうやって来てしまった。

夏休みが。


ああ、どうしようっ……!


なんでこんなに焦っているかって?


宿題が山ほど出されたから。

じゃないよ?
そんなの私には関係ないもん。


……。
ごめんね、みんな。


私にはタイムリミットという重大な問題があるんだよ。


そう、私はこの間にアイツに告らなきゃいけないんだ。


考えただけで、吐き気がする。


ねぇ。ゼテルアさん告りたくないよ。

ていうか、いつ告ればいいの!?


……もうすぐ夏祭りという大イベントが待ち構えているんだけど、さすがに私からは誘えないよ。


だって、〝あゆな〟と幸太郎はまだ出会ってまもないんだから。

まあ、アドレスは持ってるけどそんな勇気ない。


それに、断られたらどうしようとか。

私ってこんな弱っちいかったっけ……?


あの日は、なんで送れたんだろう。不思議だな。
既読スルーされたけどね。


「はぁ~~~っ」

「あゆなん、さっきから煩いわよ」

「だって、ねぇ……っうわ!」



ベッドに伏せたまま、顔だけ横を向けると、椅子に座っている神様、ゼテルアさんがいた。


びっくりした反動で思わずその場で正座をする。


目線はゼテルアさんから椅子へ。


また魔法みたいなので出したんだ。
いつでも出せるって便利デスね……。


「ふふ、寝起き相変わらず悪いわね~。朝ごはん出来てるから早く来て食べましょ」


そう言って笑みを向けると部屋を出て行った。



「……お母さんみたい」


そう呟いてから、あとを追った。