タイムリミットは君にサヨナラをするまで。



少し宙に浮いた気がした。

でもそれは一瞬で。


ゴツゴツした感覚とツーンとしたガソリンの独特な臭い。


遠くから私を呼ぶ声がする。


歩未だとすぐに分かった。



ふふ、なんでそんな声で呼ぶんだよ〜。

なに、泣いてるの?
大丈夫だよ。ただ倒れただけだもん。


閉じてた瞼をゆっくり開けた。



ほら、ちゃんと見えてるよ。ちょっとボヤけてるけどちゃんと見えてる。

なんで泣いてんのよ。らしくない。


歩未って泣くんだね。はじめて見たよ。

なんか嬉しいかも。


でもさ笑ってよ。
私そんな顔見たくないな。


笑って欲しくて私は声を発した。