「うん。私この道まっすぐ行って左へ曲がった坂にあるところなんだ」
「そうなんだ。じゃ私と反対側なんだね」
「おい、俺もいるんだけど」
「あんたなんかどーでもいいの。いちいち突っかかって来ないでくれます?」
せっかく静かだったのにまた騒がしくなるから思わず笑う。
ほんとおかしい。
歩未の男嫌いは一体いつになったら治るんだろうね。
これだとまだまだ治りそうにもないね。
もしかしたら、一生治ることもないのかな……?
それは、私が嫌だな。
親友には一番に幸せになって欲しいもん。
「ふふ、2人はいつもこんな感じなんだね。おもしろいっ」
「やめてよ、佐來さん。松崎が目障りなだけだから」
「うっわ、ひっで~。俺がお前のことどんだけ……っ」
私は見逃さなかった。
歩未が幸太郎を睨んで黙らせたことに。
なんだろう、この違和感。
空気が重くなったし、ふたりして目なんか合わせちゃって……。
幸太郎は何を言おうとしたの。
歩未がどうかしたの?
聞きたいけど聞けないこのもどかしさが徐々に心にモヤをかける。



