タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


静かな空気をまといながらケーキ屋さんを過ぎて行き、大通り沿いをまっすぐ歩いて、小さな道路に出た。さらに進むと公園が見える。


その脇を通って反対側の歩道に出る。


懐かしい遊具に自然と笑みが溢れるけど、まだ疑問符は消えない。



どうしてわざわざ遠回りをするんだろう?

さっきの信号渡れば家まで直通なのに。


2人の背中に問いかけてみるけど気付かない。当たり前だ、心の声は聞こえるはずないのだから。


少しほっとした。


「そういえば、佐來さんってこっちの方向で合ってるの?」


静かな空間に歩未の声が響いた。


幸太郎も振り向くから小さく心臓を跳ねさせる。


確かに私の帰る場所はもう既に通り過ぎてしまってる。

けど2人に本当のことをバレてしまっては私のミッションが中断してしまう。
そして次のステップに進むことが出来なくなってしまう。


2人を見送らないと行けない私は話を合わせるよう嘘をついた。