気付くといつの間にか大通りに来ていた。
もうすぐこの2人とお別れの時間がやって来る。
そう感じてしまうと、寂しさを覚えて泣きそうになるのを必死に抑える。
信号待ちをせず、すぐ近くのケーキ屋さんの脇にある狭い路地に向かうため私は2人に別れを告げようと口を開けた。
「あれ?」
2人の背中に思わず首をかしげた。
「ん?どうかしたの?」
振り向いて歩未は不思議そうに尋ねてきた。その隣にいる幸太郎も不思議そうに私を見てくる。
どうかしたの?って私が聞きたいくらいなんだけど。
2人とはここでお別れのはずなのに、なんでケーキ屋さんの方向に2人も向かってるの……?
疑問ばかりが脳内に広がっていく。
変に聞くことも出来ない私はまた首を振って歩き出した。
困ったな。このままだと私いつ帰ればいいのだろう。
とにかく、2人を見送ってからじゃないと帰るべき場所に帰れないことは確かだ。
私はまた2人の背中を眺めながら後をついて行った。



