「いらっしゃいませ!メニューをどうぞ!」

素朴な水色の椅子に座ると、ウェイトレスらしき子がさっそくやってきた。
手作り感のあるメニューを両手で差し出すその子を見て、彼女が目を輝かせる。

「うわぁ~激カワ!」

羽のようにフワフワとした亜麻色の髪。
小学生くらいのちんまりした体。
子鹿を思わせる大きな茶色の目。


「えへへ、ありがとうございまーす」

にっこり笑う表情は天使のように無邪気だ。

少し大きめの青いシャツと、ブルーグリーンのショートパンツ。
胸元にイルカのアップリケが着いた、白くパリッとしたエプロンをつけている。

革紐で首にかけた小瓶にはなぜかガラス玉が入っていた。
その子が動くたびに、からころと音が鳴る。