その言葉に、胸をつかれた。

…………血が繋がらなくても、家族になれるんだな……。


その時、からんと涼しげな音とともに 2つの透明なグラスが置かれた。
レモンの薄い輪切りが底に沈み、ミントの葉が浮かんでいる。

「レモン水だ!ぼくにもいいの?!」

嬉しそうに声を上げるラメルの頭をほわほわと撫でた後、お兄さんは俺を心配そうに見た。

「……?」
「ヨウ兄ちゃんね、外が暑いから心配してるんだよ」

首をかしげた俺にラメルがフォローを入れる。
お兄さんは外を指さした後ぱたぱたと首元を扇ぐ仕草をした。

熱中症、心配してくれた……のかな。

「……ありがとう、ございます」

頭を下げると、お兄さんは"気にしないで"と言うように手を振った。


こくりとグラスに口をつけると、レモンのほどよい酸味が爽やかに喉の奥に落ちていった。
ハチミツのさりげない甘さと僅かな塩気が優しくしている。


また、不思議な感覚がした。
今度は奥から、少しくすぐったい泡が生まれてくるみたいな。


……でも、嫌じゃなかった。