ため息をついて部屋にもどり、ベッドに身を投げ出す。
その時、蒼いカードがぱっと目に飛び込んできた。
ベッドサイドに置いていた『マリンスノウ』のカード。
横向きに寝転がったまま、手に取って眺める。
エメラルドブルーをベースにした背景は上へ向かうように明るいグラデーションがかけられ、真珠のような泡の粒が散っている。
水面に手を伸ばす人魚の蒼い眼差しは、遙か彼方に思いを馳せているようで。
差し込む光にとけるような白い髪が、乳白色の鱗の美しい尾ひれが、水の中で揺らめいている。
透明感にあふれ、惹き込まれる魅力を放つイラストだ。
────また、行ってみるか。
ぷくり、と泡が生まれるように思いついて。
俺はベッドから身を起こし、着ていたヘンリーネックのシャツのシワを伸ばした。