「吟多く……、んん……っ」
昼下がり。
静かな部屋に少女の声が響く。
鼻にかかった甘えるような声。
それは、モノクロでまとめ 一見冷たげに映りえる部屋に朱色の熱を帯びさせるようだった。
黒のシンプルなパイプベッドの上。
壁にもたれるように座っている2人。
少年は白いシャツに青いデニムというシンプルな服装だが、それゆえに清潔感がある。
少女はピンクのティアードキャミと白のシフォンスカートを着ていて。
ふわふわした髪も相まってとてもガーリーだ。
互いの熱い息まで混じり合う距離。
俺のシャツの背中にすがりつく彼女のやわらかな体を抱きしめながら、唇や舌を絡め合う。
そこにある感情は、ただ空っぽだった。