「……俺を助けたのって、君?」 「うん。だめだよ、人が長い間水の中にいたら」 体を起こしながら聞くと、心配そうな真面目な表情で注意された。 妖精か何かみたいだ。 肩が出ている、白いレースのロングワンピースを着ているせいだろうか。 「……何で?……俺のこと、助けようと思ったの?」 放っておいてくれて、よかったのに。 そう浮かんだ言葉は飲み込むと、少女は答えた。