水をすった服が体に、吸いつくかのようにまとわりつく。
体が鉛でも入れたみたいに重くなる。

海中から水面を見上げると、ゆらゆら光が揺れていた。



……こうしていたい。



でも酸素が無ければ人間は生きられない。

ごぼ、と口から気泡がもれる。

水中で泡たちが幻想的に踊る。

息苦しさに思考がぼやけ出す。




そのとき。




ゆらり。


霞む視界で、何かが揺らめいた。