「今日は選んでくれてありがとう!」 空の向こうが少しレモン色になりかけている。 彼女が距離を縮めて振り返る。 そして名残惜しそうに、期待するように。 うっとりした目で見上げてきた。 「俺もありがとう。楽しかったよ」 顔を傾け、にこりと彼女に笑いかける。 そして数センチになった距離を、 どちらからともなく近づけて、 互いの唇を重ねた。