「泣いてるのだっていま話しかける雰囲気じゃないのだって、見れば分かんでしょ」
何度も染めたせいで傷んでる髪。
異様に短いスカート。
過剰なメイクに着崩し。
こんなにも、清楚という清楚を切り捨てて
得たのは見た目だけの殻。
その殻だって、何回かつつけばたちまち割れる程に脆い。
「関根さん、でしたっけ? あなた、自分がそういう柄じゃないの、気付いてるんじゃないですか?」
過去、2人目。
人の心の中に、土足で踏み込んで来る奴。
そうだよ、気付いてますよ。
そんくらい。
こんな柄じゃ、ないのくらい。
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