許されない恋なのだとしても。



「何やってんの」




待ち望んだ声とは
程遠い声が、聞こえた。





そのまま掴まれた手は
そこ以外の行き場なしで
収まっている。






「角津……」






目を嫌そうに細めて寧々が
その名前を口にした。
その名前と顔を照らし合わせて
初めて誰か確認した。






同じクラスの、クラス内では
何かと強い男子の一人。



  

ただ、私や寧々程足を突っ込んでいる訳ではなく
上手に立ち回っているような人だ。





故に、寧々も私も逆らえない相手。






「この子、あんたらに何かしたようには見えないけど。面倒な騒ぎ、起こさないでくれない?」






何か言おうとしてから寧々は唇を噛んで
バサッと髪の音をさせて私と角津くんがいる
反対方向へと歩いていった。
何も言い返せなかったらしい。






さて、この子と呼ばれるほど
遠い関係ではないし、
席が隣になったこともあるのだが、
何故こんな扱いを受けるのだろう。






どこかの地味な子なわけじゃない……し……






「で、君何年何組の人? 名前は? 校章の色、同じだから学年は一緒でしょ? 申し訳ないんだけど、見覚えなくて」





いやいやいや、同じクラス。
ていうか、絶対に私の事知ってる。
からかってんだろうか。


           
「え、えっと……」 

 
 

「ていうか、あの子達のせいで髪ぐちゃぐちゃ。これ使って直しなよ」 







何で男子が鏡……と思いながらも
ありがたくお借りして直そうと鏡をのぞいた。







そこに映っていたのは
まあ、地味でよく言えば清楚……言い過ぎた、
そんな子が映っていてあやうく
叫びだしそうになった。