「誰が協力したか言える? 琴胡ちゃん」
黒くなった髪を上に引っ張って
甘い声で寧々が言う。
語尾が強くなるのに比例して
髪が引っ張られていく。
たまらず口から声がもれでた。
「抜けないってことは……染めたの? ねぇ、誰がそんなことしてくれたの? 何年何組何番の誰?」
なん本か髪が抜けた。
声にならない痛みが頭皮に直接来る。
「言えないの? そんなに大事な人?」
出来る限りの抵抗も虚しく
私は崩れていく。
手は後ろで掴まれて
体は蹴られて
髪は引っ張られて。
踏まれたお腹が痛かった。
「ここまで変われたのはなんで?
そんなに答えられない?」
寧々がいきなり強く髪を引っ張った。
「李羅」
「了解」
手短く答えて
回りで私を蹴っていた子が
階段から私を落とした。
一瞬体が浮いたと思ったら
体にひびが入るような痛みに襲われて
止まることも出来ずに
階段を私の体は転がり落ちていく。
「……ぁ」
声にならない声で
彼を呼んだ。
呼んでもどうしようもないのに
ただ、名前も知らない彼を呼んだ。
先生、掠れた声は誰にも届かない。
「あれぇ、死んじゃった? もしかしてぇ?」


