まあ、ここは大丈夫だろう。
まさか、ねねたちもここを開けて私の所在を
確かめることなんてないだろうから。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「え?」
何故か彼はえっと言って硬直。
「え?」
「冗談のつもりで言ったんですけど、まさか本当に……?」
彼が手の中で転がしてるのは確かに男物のだけど。
ほら、もうこんな傷んだ髪、後何回染めたって
たいして変わらないんだよ。
それに、この格好でいたら、
あの一行にすぐ見つかる。
とにかく同じ匂いに彼女たちは強いから。
「メイク落とすし、髪も染めるよ?」
「……本気ですか?」
そんな驚くことじゃないだろ。
お前が言い出したくせに。
「はあ……まあ、お好きに」
よく、わかんねぇ奴。
まっ、いっか。