下の階から何とも下品な笑い声が聞こえてくる。
こっちに、向かってきてそうだ。
「ことこ、どうしたんだろうねぇ」
「ねね、やり過ぎたんじゃなあーい?」
「やっだ、やめてよ~。ねね、大したことしてないもんっ」
耳にまとわりつく様な猫なで声。
ゆっくりと近づいてくる声に、身動きがとれなくなった。
「関根さん?」
ボロボロ零れる涙だけが動いてる。
恐怖で目はしばたいている。
先生もここにいたら、勘違いされて
痛い目に合わされるかもしれない。
先生だけでも、逃げて。
悲痛にも願う気持ちは動かない口のせいで
言葉にならない。
「ぐずぐずするのはあまり良い事とは言えませんね」
それだけ言って、私の口を押さえて先生は
私を抱き上げた。
悲鳴をあげたくても
動かない口のせいで、あがらない。
え、え、え、え、えー!
今、私。
先生に担がれてます!?