「そもそも、髪は黒くしようがない」





染めるにしてもここでは無理だ。








持ってきてないよ、そんなもの学校に。









「男物で良ければ」










白衣から取り出すお前は何歳だよ。











まさか、若白髪か?







「お前、何歳だよ」









「23、ですが」








「染める必要、ないじゃんか」








「はい、面白半分で実験で使うということで予算で」









親指と人差し指でお金のマークを作り、笑うこいつ。










「絶対、使わねぇ……」










「まあ、僕は使わないですし。取り敢えず、理科準備室来てください。……ほら?」










言われるままに耳を澄ませば。