入学式。
ブレザーを羽織り、スカートの裾を少し短くする。今日から、私も華の女子高生だ。周りには知らない子たちばかりで、この子達と友達になれるか不安が募った。が、今日この入学式の終われば私には楽しみの待っているのだ。それは、彼氏と彼氏のお母さんと私と私のお母さんで食事をするのだ。彼氏とは高校が、離れてしまったがこんなにもお互いが好き合っているのだから「別れる」という言葉は私達の中には一切ないのである。
料理店ママ屋に到着。
入学式は、あっという間に終わり私はすぐにお母さんと彼氏と待ち合わせをしているお店に向かった。「あ、桜木信悟!」
そう、私の彼氏桜木信悟君。中学3年の時から付き合っていて、この人といるといつもお腹がよじれるくらい笑ってしまう。
中学3年の時公衆電話から告白を受けた時は、なぜ公衆電話なんだろう…と不思議に思っていたが、彼には携帯電話がなかったのだ。
以降文通というなんとも昭和のやり方で連絡を取り合っている。でも、手紙を書くのはわたしは好きだし、それを何回も読み直しては笑みを浮かべてしまう。それほど本当に幸せいっぱいなのだ。私は、この時はこの人が運命の人なのだと思っていた。この人以上に、好きになれる相手なんかいないと思ってた。