私の生活はアニメで回っていると言っても過言ではない。
まず朝起きてテレビ欄を確認。
一週間以内に観なければいけないアニメは視聴予約、新しく始まるアニメは全1話を録画、ツイッターでは新しい情報が入っていないか常に起動している。
私の場合、アニメだけでなく漫画や小説なども好きで、部屋には床から天井までの大きい本棚があり、部屋の2割が本で埋まっている。
少年漫画、少女漫画だけでなく、所謂BLと呼ばれる商業本も好きで―――――
「そんなことしてるから彼氏できないのよ」
「……それは言わないで」
26年間のうち、一度だけ恋人がいた。
だがその人と恋人でいた期間は、良く言って3か月。
理由は、私がデートよりもアニメを優先してしまったからだ。
詳しく説明すると、深夜放送をリアルタイムで観たくて布団に入った時には3時を回っており、寝坊をした。
「偏見があるわけじゃないけど、普通は恋人の方を優先するもんじゃないの?」
そして、もちろん私がフラれた。
少々の動揺はあったが、深いショックは受けなかった。
付き合ったきっかけは相手からの告白だったのもあり、軽い気持ちで頷いた私の気持ちも不純だったように思う。
大人になって気づいたのは、二次元に関して世間の目がかなりきついという事。
日本文化と言ってもいいほど世界的に評価されている類であるのに、偏見の層は分厚い。
その点では元恋人だった人は心の広い人間だったのかもしれない。当時別れたことを三保に伝えるとこっぴどく叱られた。
趣味が充実していると寂しさを感じない。
事実、恋人が居なくても困らないのだ。だがここ最近はそうは言ってられないのも感じていた。
「あんたいつ結婚するの」
実家からかかってくる電話では必ず聞かれる質問。その度にそんな予定はないと答えると、年齢を理由に呆れたような口調で説教を受ける。ちなみに2つ下の妹は既に結婚しており、子どもが一人いる。それもあって以前よりもしつこくそういった事を言われ出した。
「そっちはどうなの。彼氏さんと」
「フツーだよ。お互いちょいちょい会ってるし、親御さんとも顔合わせたことあるし」
「へぇ~、順調じゃん」
「後は向こうからのプロポーズだけね」
煮詰まったらこっちからしてやろうと思ってるけど。
元々男前な性格をしている三保は、言いながらポーチから赤い口紅を取り出した。
外見を気遣う女らしさとは裏腹に、中身はこういった男よりも男らしいところが私は気に入っている。
「あたしが男だったら絶対に聡子の事幸せにする自信あるのに」
「……惚れてまうやろ……」
こんなことをさらりと言ってしまう女を女にしておくのは本当に勿体ないと思う。
