頭が、壊れそうだ。
「……聡子?」
「ハッ」
いつの間にかスプーンから零れ落ちたチキンライスを慌ててすくって口へ運ぶ。
目を離すとすぐに目が点になって呆然とうつろな目をする友人を怪訝な顔で睨んだ三保は、「……不味かった?オムライス」と、答えは分かっているが一応問いかけた。
ううん、と首を振る私に納得のいっていないようだが、それ以上聞いてこない。
ヴーッと膝下に置いていた端末が震えた。
強張る手を伸ばして手に取ると、画面には知らない番号の着信。
だがワンコールで切れてしまい、その後すぐに一通のメールが届いた。
《有川直哉です。番号登録しておいてくださいね。》
「………」
《登録しておきます。》
これじゃ簡素すぎるかな、と不安に思ったが、すぐにいやいやと首を振って意識を飛ばす。
まるで媚を売っているようじゃないか。
私は別に好かれたいわけじゃない。むしろ―――――、
結局、最初に打った短文を送った。
端末を投げてスプーンを手に取るときには、既に三保は食べ終わっていた。
「食べたら流しに置いといてねー。今日はあたしが洗ってあげるから」
「……うん、ありがと」
ご飯も美味しい、気遣いもできて片付けの手際も良い。
三保のような人を妻にもらえる人は幸せだな、と心から思った。
それをそのまま伝えると、知ってる、と彼女らしい返事が来た。
