ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。



静かに時間が刻まれている。


背後にある時間を見ようにも相変わらず、拘束されたものは取れず分からないままだ。


「……」


どうしようと思えば思うほど、死への宣告は短くなってくるし、どうしようもない。


足も折り曲げられるような状態で拘束されているので立ち歩くことすらできないのだ。


かすかだが爆発音のような音がした。


ビルがぐらっと揺れたので、あったのだろうということが分かる。


日も暮れて来て、部屋の中が薄暗くなってくる。

ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。

ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。

ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ。


何だか音が大きくなったような気がして、急に怖くなった。


ああ、死ぬんだ。


本当にこのまま死ぬんだ。


そう思ったら怖くなった。


生きるということにやっぱり人間というものはしがみつくものなのだ。


この世で生きていく際に、死んでもいいと言う人がいるけれど、こういう状態になっても同じことが言えるのだろうか。


今までそんなことを一切考えたことがなかったが、さすがに精神的に追い詰められてきて彼女らしくないことを考え始めていた。


誰も助けに来てくれない。


源之助も来ない。


下が火事なら、ここには上がってこれないだろう。


映画のヒーローじゃあるまいし、来れるはずがないのだ。


夢を見てはいけない。


「一体、私が何をしたっていうのよ……」


涙と共に、鼻水が出てきた。


好きって言っておけばよかった。


後悔の言葉が思い浮かんだ瞬間、心臓が跳ね上がる。


ピピピピピピピピピ。

ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ。


「いやいや、ないから!好きとかないから!爆弾やめろ!ふざけんな」


鼻水を垂らしながらツッコミを入れる。


ふざけている場合じゃない。


しかも物にツッコミを入れるなんて、虚しいにもほどがある。


「本当バカだな……」


と苦笑しながらあずさは呟き、とあることを思い出した。