「ねえ!源!あずにゃん!このアクセス数見て!」
唇が触れるか触れないかの瞬間、突然吉伸が部屋に入ってきた。
「よーしーのーぶー!」
いいところだったのにと悶絶する源之助を尻目に吉伸は自分の持っているノートパソコンを差し出す。
「この間のパーティーの写真がかなりTwitterでリツイートされててさ!動画もアップしてから3時間で100万PV!」
「専門用語が多すぎて意味不明」
ふてくされている源之助を無視して、吉伸はあずさに言う。
「これかなり儲けだから、54階のバーにでも行こうぜ!奢る!」
「なんで俺のあずにゃんに勝手にデート誘ってるんだよ!」
「あずにゃんだけじゃねーよ。お前も誘ってるだろ」
あきれ気味に言う吉伸に「俺は行かないもんね」と不貞腐れ続ける源之助。
「どうする?あずにゃん行く?」
ニヤリと笑って誘う吉伸に「いいんですか?」と言う。
ビルもなんだで上層階がどのような雰囲気になっているか気になっている。
もし見れるのであれば、見ておきたいと思ったのだ。
「え!?あずにゃん行くの?あのバーに?」
「何か問題でもあるバーなんですか?」
「特に問題はないよ」
ニッコリと笑って言う吉伸に「問題ありまくりだろ!」と叫ぶ源之助。
「心が狭いぞ。源」
「……」
「大丈夫、行こうか」
ニッコリと笑う吉伸に首を傾げながらもあずさは一緒に行くことを決め「源之助さんは行かないんですか?」と尋ねる。
大きな身体をしてすねくれているこの男が少しだけ可哀相になった。
「……行く」