買い出しから帰ってきて、吉伸と一緒にカレーを作る。


料理はしないと言っていたが、手先は器用なようであずさよりも丁寧に野菜の皮をむいていく。


昨日は気が付かなかったが、キッチンには小さなテレビが備え付けられていた。


何となくニュースを流しながら、雑談しつつ料理をする。



「しまった。今日の動画これにすればよかったかな」


「あはは。そうですね。カレーを作るぜ!みたいな」


「そうそう」


二人でケラケラと笑いながら料理を作っていると、なんだか新婚みたいだなと思ってしまう。


「……」


「なんだか、新婚みたいだね」


思っていることを当てられてしまい、あずさは顔が熱くなるのを感じた。


「……そうですか?」


「あれ?あずにゃん、顔があかーい。かわいいな。源之助の彼女じゃなかったら、俺手出しちゃうよ」


ケラケラと笑う吉伸。


「彼女なんかじゃないですよ!」


「え、違うの?」


「違いますよ!居候させてもらってますけど……。源之助さんいい人ですけど……」


何で、こんな風にしてもらっているのかが分からないし、いい人ではあるのだがあまり真剣さはない。


けれども昨晩抱きしめられた時に、なんであんなに安心してしまったのだろう。



「そうなのか……。じゃあ、なんで光之助さん来たんだろう?」