成人式当日。

あたしは、
もしかしたら祐次に
会えるかもしれないっていう
期待感からか
いつもより可愛く化粧をして
可愛く髪の毛をいじった。

会っていなかった間に
あたしは変わったのだと
祐次に見せたいが為に
かなり頑張ったの。


会えるなんていう
保証なんか1つもないのに。



『梨華ー』


『綾ぢゃん!』


『久しぶりー』


『梨華ー?』


『さくらー!』


『写真撮ろうよー』


懐かしい友の顔や声を聞いて
あの頃に戻ったみたいで
嬉しかった。



『おー祐次じゃん!』


遠くで愛しい人を呼ぶ声がした。

その声の主を探したら
そこには愛しい人が笑ってた。


『良輔ー久しぶりじゃん。』


と、いう祐次の声が
昔より低くなってて、
昔よりかっこよくなってて、

目が離せなくなってた。



バチッ!


目が合った。


気まずそうな
祐次の顔が、
5年の歳月を物語ってた。


あたしも『祐次?』って
声をかけたかったけど、
あの顔を見たら
もう友達には戻れないと感じた。


もう涙が溢れそうで、

そこに居たくなかった。


あたしは逃げたの。

やっぱり成長など
してなかったみたいだ。