はやいもので、
あたしはもう成人になった。


成人式を明後日に控え、
直子から電話が入った。


『もしもし?』


『どしたー?』


『梨華さー伊藤と
別れて1度も会ってないん?』


『うん。』


『成人式来るって。』


『だから?』


『まだ好きでしょ?』


『祐次の事?』


『うん。』


『もう5年たつんだよ?』


『だから?』


『あたしはもう好きじゃない。』


『梨華って分かりやすいよね。』


『直子?』


『あたしまだ祐次と
普通に接せれる自信がない。』


『普通…か。』


『あたしまだ好きだけど、
振ったのあたしだよ?
祐次に今さら合わせる顔がない。』


『梨華?
そんなんどうでもいいじゃん。
大事なんは好きかどうかでしょ?』


『直子…』


『明後日伊藤に会えたら
自分の気持ち言いな。』


『うん。』


『結果がどうなっても
梨華はすっきりするはずだよ。』


『うん。頑張る。』




あたしはもう
友達のように
祐次を見れるだろうか。


分からんけど、
無性に祐次に
会いたくなった。