「ほのかちゃん、寝てていいんだよ?」
「ううん、だいぶ楽になってきたから……」
そう言って笑うほのかちゃんは、明らかに無理をしていた。
こんな時にも、無理して笑うんだから……。
みんなに心配かけたくない気持ちは、分かるけど……。
「それにね、なにか話してた方が、気が紛れるし」
「ほのかちゃん……」
そうだよね、私達は、胸に爆弾を抱えてる。
いつでも、死と隣り合わせで、一人になると嫌でも考えちゃうんだ。
だから、必死に気付かないふり、見ないふりをして、できるだけ『死』を忘れようと頑張る。
その不安が、痛いほど分かった。
「おい、それでも寝てた方が……」
「……ほのかちゃんの、したい話をしよう」
「ふう、でもほのかは体調良くねぇーんだろ?」
私を止めるなっちゃんに、私は曖昧な笑みを返す。
「………不安を抱えるには……1人では、心細すぎるから…」
「ふう……お前……」
「だから……ね、少しだけ」
そう言ってなっちゃんを説得すると、なっちゃんはゆっくりと頷いてくれた。
「そうだな……今、きっと……怖くてたまらねーもんな…」
なっちゃんにも、なにか思うことがあるのかも。
私達にしか分からない、いつも隣に『死』がある恐怖。
ちょっとした体の不調は、死へのカウントダウンに思えて仕方ないんだ。


