「ふう、お前は、誰のために生きてんだよ」
誰のため……なんて、そんなの決まってる。
「……私は、両親のためだよ。2人のために、手術も受けるって、決めて……」
「それで、ふうは幸せのか?」
真っ直ぐに、射抜くような瞳が私を見つめる。
その視線は、私の心さえも見透かしてしまいそうで、怖かった。
「それは……」
幸せだと……言えなかった。
私の意志なんて聞かずに、何でも勝手に決められる。
そんな事には慣れていたはずだったのに……。
「少なくとも俺には、ふうが幸せそうには見えねーけどな」
「…………」
私は、心のどこかでなっちゃんの言っている事を肯定している。
でも、それを言葉にすることは出来ない。
口にすれば、私を愛してくれてる両親を、裏切ることになる、そんな罪悪感があったから。
「お前、本当はしたい事があんじゃねーの?」
「え……」
核心をつかれた気がして、心臓がドキリと跳ねる。
どうして、なっちゃんはそう思ったんだろう。


