「外で友達と遊んだり、体育の授業も、運動会も見学だけ。ずっと家と学校の、往復で……」
部活動もさせてもらえなかったし、必ずお母さんが登下校のお迎えに来た。
私の世界といえば、学校の教室と、家の中だけ。
「遊びに行くなんて許してもらえなかったし、そうすると友達も減っていって、気付いたら……一人ぼっちだったんだ」
そして今も……。
私は、青空に片手を伸ばす。
そこに、鳥が羽ばたいているのを見つけた。
「ここも同じ………窮屈でしかない」
「……なんで、文句言わないんだよ」
「……私を、大切にしてくれてるから」
愛してくれてる。
ただ、それが重い枷になっていたのだとしても、私は…。
そんな2人の期待を裏切りたくなかった。
2人の望む良い子でいたかったんだと思う。
「大切にしてくれてたら、ふうを縛っていい事になるのか?」
「………え?」
私は驚いて、空からなっちゃんへと視線を向ける。
すると、なっちゃんは少し怒ったような顔をしていた。


