「ふう俺な……お袋を殺した俺が、生きたいなんて思っちゃいけねーって思ってたのに……」
「うん……」
「いざ死にそうになったら、ふうの事を思い出して、お前を置いて死にたくねぇって思った」
なっちゃんは震える手で、私の存在を確かめるように強く抱きしめる。
、自分の命を罪だと思っていたなっちゃんにとって、どれだけ大きな変化だったのか、痛いほど分かった。
なっちゃんが生きたいって思ってくれるたび、私も生きていて良かったって思えるんだ……。
「昔からお袋のために生きろって、そう言われるのが重荷だった。だから親父ともいつも口論になってたけど……」
入院中、なっちゃんとお父さんの会話を立ち聞きしてしまった時のことを思い出す。
お父さんは、なっちゃんが大切で仕方なかったんだ。
だから、少し強引でも、この世界になんとか引き止めたかった。
「でも今なら分かる。お前は母さんの命と生きてるって、親父が言ってた言葉の意味が……」
ほのかちゃんも言ってたな。
忘れない限り、心の中に生き続けるって。


