「風花ちゃんの体は、バイパス手術も無事に終えて状態も安定しています。2週間ほどで退院できる」
「良かったね、風花ちゃん」
なっちゃんも笑顔で喜んでくれてる。
だけど、私は………。
「あの、一緒に倒れてた男の子は……」
「一緒に倒れてた……夏樹くんのことかな?」
不思議そうな顔をする東堂先生に、私は震えながら頷いた。
お願い、どうか無事でいて……っ。
「夏樹くんは、まだ向こうの病院にいるはずだよ」
「えっ、じゃあなっちゃんは無事なんですね!?」
「あぁ、無事だよ。風花ちゃんと同じで緊急手術を受けてる」
なっちゃんも手術を受けたんだ……。
倒れて、そのまま行われた手術だけど、無事に終えることが出来て良かった。
なっちゃんが生きているって知れただけで、泣きそうになる。
「本来は風花ちゃんも向こうで見るはずだったんだけど、ご両親の希望があったからこっちに転院になったんだ」
なっちゃんが無事で……本当に良かった。
それにホッとして、全身の力が抜ける。
ーポスンッ
私は、そのままベッドに横になるように倒れた。
「風花、大丈夫か!?」
「あ、うん……ホッとしちゃって……」
なっちゃんが生きてる。
この同じ空の下、なっちゃんがいるのなら何も恐れることは無いよ。
私が、なっちゃんに会いに行けばいい。
私は………もう自由なんだから。


