「状態が落ち着いた所で、あなただけ転院になったのよ。だから、その子が今どこにいるのか……」
「そんな………」
私の意識が無い間に、そんな事が……。
なっちゃんが今無事なのか、どこの病院にいるのか、何も分からない。
私、なっちゃんの連絡先も知らないのに……。
ーガラガラガラッ
俯いていると、病室の扉が開いた。
顔を上げると、そこには主治医の東堂先生と、その後に控えるさっちゃんがいた。
「目が覚めたんだね」
「はい、おかげさまで……」
「少し、診察するよ」
そう言って先生は、私の診察を始める。
その間も、私はなっちゃんの事ばかりを考えていた。


