「お父さんの言う通りにしなかったことで、2人に嫌われるのが怖かったんだ……」
「風花……あなた、そんな事を考えてたのね……」
お母さんの言葉に、私は頷く。
言えなかった、本当の気持ち。
いつからか、心の中でだけ叫んで、全てを押し殺していた。
本当に、ほのかちゃんの言う通りだね。
「でも、同じ病室の……私の妹みたいな女の子が亡くなって、この世界には絶対なんて無いんだって気づいた時……」
そう、ほのかちゃんが教えてくれた。
この世界には絶対なんて保証できるものは何一つ無い。
だからこそ……。
「行きたい場所へ思うままに行く、生きていきたい人と精一杯生きる。後悔しないために、自分の意思で生きていくことが大切なんだって思った」
「風花……」
お父さんは、驚いたように私を見つめて、ただ私の話に耳を傾けてくれている。
だから、この勢いを失わないように話し続けた。


