「どうしたの、ふう姉?」

「え、ううん……」


………何かがおかしい。

なのに、そう思う事すらおかしな事に思えてきた。

これが、現実なのかな、ほのかちゃんが私の傍にいてくれる、これが本当の世界?


「遠矢くんの……話だっけ?」


まだハッキリしない頭で、ほのかちゃんに返事を返す。

すると、ほのかちゃんはパァァッと輝く笑顔を浮かべた。


「そうなの!私は会う度に毎日ドキドキしてるのに、遠矢先輩は平然としてて、なんか悔しくって」


「遠矢くんと……ふふっ、それは悔しいね」


ほのかちゃんと遠矢くんが幸せな世界。

ーズキンッ

「っ……痛っ……」


今、本当に一瞬だけ、遠矢くんが泣きながらほのかちゃんの名前を呼んでいる姿が浮かんだ。


今のは、何……?

そんなわけ、それはただの思い込みのはずなのに……。

どうして、そんなことを考えたの?

考えれば考えるほど、頭痛が増していく。