「なっちゃ……っ」


痛みすら感じなくなってきて、意識が遠のいていく。

冷たくなって、既に感覚の無い体。

唯一感じる手の温もりを頼りに、私はなっちゃんの名前を呼んだ。


「わた……し……っ」

「ふうっ……駄目、だっ……目、閉じ…るなっ……」


なっちゃんの、悲鳴に近い声が聞こえる。

私は今、目を開けてるのか、閉じてるのかすら分からなくなっている。

なっちゃんの姿もぼやけて、もう見えなかった。


「なっ……ちゃ、こ、と……好き……あり…がと……う…」


ーーーなっちゃんの事が好きだよ、ありがとう。


もしかしたら最後かもしれない、そう思って精一杯伝えた言葉だった。


「何でっ、そんなことっ……うぅっ、やめろっ、いくなっ!!」

「ごめ……ん……っ」


一緒に生きられなくて、ごめんなさい。

なっちゃんの傍にずっといられなくて、ごめんなさい。