「何があっても、諦めるな。諦めそうになったら俺の事を思い出せ」 「なっちゃんの事……?」 「そうだ。俺も不安になったら、ふうの事を思い出して諦めねぇから」 なっちゃん……。 そうだ、もし私が挫けそうになった時は、なっちゃんの事を考えよう。 大切な人のためなら、心を強く持てる気がする。 ありがとう、そう伝えたくて口を開いた瞬間ー。 ーズキンッ!! 「あっ……うっ!?」 それは言葉にはならず、うめき声へと変わる。 心臓に、突然杭を打たれたかのように、想像を絶するほどの痛みが走った。