「お前、律儀なのな」
「え……?」
「いーや、なかなか好ましい性格っつー事だ」
まるで、綺麗なものを見るかのように、眩しそうに細められた目に、首を傾げる。
好ましい性格………。
この人からすると、私はそう見えるのかな。
だとしたら、この人から見える私は……本当の私じゃない。
自然に良い子でいようと、本当の気持ちを偽っている……偽物の私だ。
「……私は、自分の性格が嫌いです」
「………へぇ、何で?」
聞き返されると気まずくて、つい俯く。
すると、握手した時から繋いだままの手をギュッと握られた。
「あ、手……っ」
「逃げるな、言いたい事溜め込むと、体に良くねーぞ」
私が逃げようとしたと勘違いしたのか、さらに強く握られる手。
ち、違うよ……は、恥ずかしいのに……。
なんというか、強引な人だな。


