永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



***


文さんに手料理を振舞ってから、私達はお風呂を借りた。

そしてお風呂を出ると、娘さんや旦那さんが昔着ていたという浴衣を文さんは引っ張り出して私たちに着せてくれる。


「あらぁ、娘の小さい頃を思い出すわぁ」


私が着ているのは、寝巻き用で綿生地の着やすい素材の浴衣。

白地に紫の朝顔が描かれた、可愛らしい浴衣だった。



「文さん、こんなに良くしてもらって、ありがとうございます……」


「あらあら、私は楽しかったから……。本当に、家を訪ねて来てくれて、ありがとうね」


鏡台の前で、浴衣の丈を直してくれる文さんに私が感謝の気持ちを伝えると、逆に感謝されてしまった。


見ず知らずの私たちに、こんなに優しくしてくれた。

感謝してもしきれないよ……。


「文さんは、俺達の恩人っす、マジでありがとうございます」


すると、浴衣に着替え終わったなっちゃんが私たちに歩み寄ってくる。

なっちゃんの浴衣は、紺色の生地に縦縞が入った浴衣だった。

どこか、いつもより大人っぽく見えて、ドキンッと心臓が跳ねる。