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夕方、私となっちゃんは文さんに恩返しをしようと、もう1日泊まって、夕食を作ることにした。
文さんには居間で休んでもらって、台所には私となっちゃんが立っている。
「コイツの頭を切り落とせばいいんだな」
なっちゃんの言うコイツとは、金目鯛のこと。
私は、金目鯛の煮付けと、その頭を使って、金目鯛の潮汁を作ろうかとなっちゃんに手伝ってもらってるんだけど…。
「よ、よし……任せろ。今すぐにでも叩き落としてやる」
カタカタと包丁を持つ手を震わせながら、ありえない高さまで振り上げる。
なっちゃんは明らかに、この金目鯛に殺意を向けていた。
「なっちゃん、金目鯛に罪は無いよ……」
「あぁ?」
普通に話しかけただけなのに、鬼の形相……。
前より柔らかくなったと思ったけど……ただ単に、私がなっちゃんに慣れただけかも。


