「お、おう……」
「…………私も、ご飯食べるから」
私は、恥ずかしさを隠すように、文さんが作ってくれた夕食に箸を付ける。
あっ………おいしい。
文さんのご飯は、ブリの照り焼きに、大根の煮付け、それからワカメのお味噌だった。
今こうして、なっちゃんと私が無事でいられるのは、文さんのおかげだ。
本当に、感謝してもしきれない。
これからの事、まだまだ不安でたまらないけど……。
これから先も、私にとってなっちゃんが大切なことには変わりない。
だから、なっちゃんと一緒に、最後まで歩き続けられる道を、探していきたい。
そう心に決めて、私はお味噌を啜る。
そのホッとする優しい味に、冷えきった体も、これからの不安も解れていくような……そんな気がした。