「だって、私はなっちゃんを失いたくなかった……。そんな風に睨んだって、間違ったことしたとは思ってないからねっ」


睨むなっちゃんを、逆に睨み返す。

すると、なっちゃんは驚きに目を見張った。


「俺を、失いたくないって……」

「あっ……えと、ほらお粥食べて!」


私、つい本音が……っ。

失いたくないだなんて、まるで好きだって言ってるのと同じだよっ。

それに、頬が熱くなるのを感じる。

だけど、それを否定するのは、自分の気持ちを偽るようで嫌だった。

だから誤魔化すように、慌ててお粥が入った茶碗ををなっちゃんに押し付けた。