「あら、若いお嬢さんがお客さんだなんて。これは驚いたわぁ」
出てきたのは、70歳くらいのおばあさんだった。
垂れた目尻は、どこか優しさを感じる。
料理の途中だったのか、濡れた手を紺のエプロンで拭いていた。
「すみませんっ、私の大切な人が体調を崩してしまってっ、家で、休ませていただけませんか!?」
私は、縋るように頭を下げた。
どうか、お願い………なっちゃんを助けてっ。
「あらあら、それは大変ねっ、さ、すぐに家にいらっしゃいな」
すると、私の不安をすぐに、おばあさんの言葉が払ってくれた。
「あ、ありがとうございますっ」
「ここへは連れてこられるの?」
「あ、えと……彼、体が大きくって、でも頑張って連れてくるのでっ!!」
「私も、手伝うわ」
そう言って、おばあさんは、率先して歩き出す。
「ありがとうございますっ」
感謝の気持ちでいっぱいになりながら、私はなっちゃんの元へと向かう。
それから、なっちゃんを2人がかりでなんとか家まで運び、バイクも家の玄関前に停めさせてもらうことが出来た。


